この度、bassmania様にお力添えをいただき、琵琶ハスカスタム(ダヴィンチ190)を製品としてリリースする運びとなりました。

bassmania様のWEBショップにて6月28日(日)20:00より販売いたします。
本製品はbassmania様WEBショップのみで販売する完全限定仕様となります。
>>bassmania販売ページ

このダヴィンチ190は国内工場にて職人さんの手で丁寧に仕上げられており、仕上がりが非常に美しいルアーです。
流れるような曲線の造形は官能的で、所有感を満たしてくれるルアーです。

近年リリースされたルアーにおいて、最もアートフォルムなデザインなルアーの一つと言えるでしょう。

酒の肴にもなる、美しい造形と仕上げ

どうしても外見に注目してしまうダヴィンチ190ですが、その実釣性能も特筆ものです。
バス釣り業界のみならず、シーバスのビッグベイトゲームでも好釣果を叩き出している実力派です。

発売から3年近く経ちますが、未だに入手困難が続いていますね。
(残念ながら釣具屋で見かけることはほぼありません…)

実は苦難が多かった製作過程…

さて、正直なところ今回の製作は非常に難航しました。

私に本ルアーの使用経験がほぼ無かったこともあります。
が、それ以上にダヴィンチ190が絶妙なバランスで成立しているルアーであったことが主な理由です。

端的に言うと、非常に手を入れるのが難しいカスタム屋泣かせのルアーでした。
逆に言うとそれだけ完成されたルアーであると言えます。

※この辺りの考察、苦労話は後日に別途記事に起こしたいと思います。

今回採用した魚皮について

ダヴィンチシリーズの処女作となる今回はハスを採用しました。

ハス魚皮はジョインテッドクロー178で採用実績があります。
普段いただく問い合わせでも良く要望をいただく人気魚種です。

そんなハスですが、今回は琵琶湖産の大型のハスを使用しました。
さらに、その中でも飽食している大型のコンディションの良い個体を選りすぐっています。
こういった個体は、ウロコがしっかりしており良くフラッシングします。

こういった事情もあり、本製品においては「琵琶ハスカスタム」と名付けています。

アートフォルムとリアルの融合

ここからは、製作において印象的だった工程を紹介します。

まず、ルアーの『顔』です。

ダヴィンチはリップレス構造のルアーです。
よって、アクションを支配するのは水を掴むボディの形状とウェイトバランス。
魚皮でラッピングした後に、これらを再現することが生命線です。

アートフォルムなルアーの難点として、実際の魚と形状がマッチしない点が挙げられます。
特に顕著なのは”顔”です。

美しい反面、日本の魚とは似ても似つかない形状

フロントアイを仕様してリトリーブした際、水を受ける顔部分はアクションに大きく影響を及ぼす部位です。

アクションへの影響を低減するため破断するギリギリの厚さまで削る

魚顔パーツの厚みは顔部の最終形状に大きく影響します。
つまり、顔部分の形状次第でアクションはすぐに破綻します。

魚顔パーツはルアーの曲面にうまくフィットさせるために破断するギリギリまで薄く削り込みます。
後の工程では修正できない部分ですので慎重に製作する必要があります。

他のルアーにおいても同じように顔面パーツは最新の注意を払うのですが、大型のハスは顔を構成する素材が大きく硬いため、過去最高に時間をかけることとなりました。

また、アクションだけでなく、顔部はルアーの美しさを決定付ける重要な箇所でもあります。
この琵琶ハスカスタムは非常に美しい『顔』に仕上がっています。

最終形状は仕込み作業のブランク切削作業からの積み重ねで決まります

細かな調整の繰り返しだったジョイント部

ダヴィンチ190の平打ちアクションにおいて大きな役割を果たすのがこのジョイントされたテール部です。

ジョイント部分の削りや魚皮の貼り付け範囲の見極めは実際に泳がせながら行います。

例えば、当たり前ですが尻尾のパーツの重量が上がってしまえば平打ちアクションは破綻します。
ジョイントの可動範囲が変わってしまっても同様です。

アクションの再現、仕上がりの美しさ、使用による劣化回避など様々な要素が絡むジョイント部

仕上がり

重量

最終的に重量は3%微増の52.6gにまとまりました。
個体によって差異がありますが、概ね53g前後の仕上がりです。

オリジナル(50.91g) → カスタム(52.6g) 3%増

「え、重くなってますけど大丈夫ですか?」
と言う声が聞こえてきそうですね。

純正より3g近く増量すると肝心の浮力が失われるのではないかと思いますが、定比重素材による増分なので問題ありません。

全体のフォルムと質量のバランスをとったギリギリの範囲で収まっています。

質感・意匠

さて、肝心の質感についてはこの通りです。
ハス魚皮のポテンシャルを最大限引き出した形で製作出来ています。

また、苦労した顔面パーツもきちんと収まりダヴィンチの持つ曲線美も復元できています。

やはりウロコの粒が大きくしっかりしているので見栄えは最高ですね。
水中に入るとさらに美しくフラッシングします。
これは、空気中ですと魚皮の上のクリアコートがフラッシングの邪魔をしてしまうためです。

銀鱗系魚皮の中でも随一の輝きを放つハス魚皮

別の角度からも。

販売方法について

琵琶ハスカスタム(ダヴィンチ190)はbassmania様のWEBショップにて販売いたします。
本製品はbassmania様WEBショップのみで販売する完全限定仕様となります。
>>bassmania販売ページ

6月28日(日)20:00より販売開始です。
ダヴィンチ190の琵琶ハスカスタムについては、素材の手配の都合もあり、しばらく作製の予定がありません。

是非この機会に手に入れてください。